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注文住宅をコストダウンするには? 注文住宅を安く抑えるテクニックを紹介

自分が住みたい家のイメージを実現できる自由度の高い注文住宅。しかし限られた予算のなかで家を建てるときにはコストダウンの意識も大切です。注文住宅は大きな金額の買い物であるだけに、節約するとしないとでは何百万円もの差が生じてきます。

また、住み始めてから毎月の光熱費などの「ランニングコスト」もあらかじめ考慮したいポイントです。
さらに、コストダウンは大切ですが「手抜き工事」になってしまっては困るので、信頼できる工務店選びも重要となってきます。
今回は、これらの点について解説していきます。

間取り・素材・収納はどうする? 注文住宅コストダウンのポイント

SUUMOの2016年調査によると、注文住宅の建築費総額は、全国平均で2388万円
これは建物のみの価格です。実際に家を持つときには別途土地を購入する場合もありますし、土地代がかからなくても外溝工事、税金、家具・備品購入費用、引越し代なども必要となってきます。

多額の出費を要する家づくりでコストを少しでも抑えたい場合、どんな部分で工夫できるでしょうか。注文住宅のコストダウンのポイントについてご紹介していきます。

注文住宅のコストダウンは最初が肝心! プランニングで意識したい9つのポイント

できるだけコストを抑えて家を建てたいと考えるなら、工事請負契約の前からその方針を明確にすることが非常に大切です。
工務店選びの段階から予算に限りがあること、費用を抑えながら家づくりをしたいという意志を伝えていきましょう。

(1)限られた予算を明確に伝えて、慎重に施工会社を選ぶ

 少ない予算で家を建てたいときこそ慎重な工務店選びが大切です。
可能な限りコストを抑えて家を建てたいという方針を明確にして、それに快く応えてくれる会社を選ぶことがコストダウン成功の第一歩です。

見積もりを依頼するときは予算を少なめに伝えることもひとつの方法です。工務店選びについては後ほど詳しく解説します。

(2)延床面積を小さくする

小さな家にすれば、当然費用は安くなります。
大きな家、部屋数の多い家は建築費用がかかるだけでなく、居住したときの光熱費や将来の家の改修費用も余計にかかります。

近年は家族の成長や変化に合わせて住み替える例も増えています。今家族にとって必要な家の広さや間取り、そして将来のことも可能な限り考慮して、広すぎず適正な面積のプランにしましょう。 

(3)シンプルな「総2階建て」に近い造りにする

 建築費用の総額を抑えたいとき、延床面積とともに重要なのが「凹凸の少ない設計」にするということです。
平面図では正方形に近く、1階と2階の床面積はほぼ同じの「総2階建て」にしたときに必要とする壁や建材が最も少なく、基礎工事の工程も少なくなります。

同じ延床面積であれば平屋よりも2階建てのほうが割安です。一方3階建てになると構造上の難しさがあり別のコストが生じてくるので、最もコストが抑えられるのは2階建ということになります。

(4)木造在来工法を選ぶ

 木造在来工法とは、日本の住宅建築で古くから用いられてきた工法で、現在も注文住宅の約7割はこの工法で建てられています。

他の工法としては同じ木造のツーバイフォー工法、プレハブ工法(軽量鉄骨造)、鉄筋コンクリート造などがありますが、最も一般的で多くの工務店が手がける木造在来工法がコスト的にも抑えられます。

(5)間取りや屋根の形をシンプルにする

 個室をいくつも造るよりも1つの大きな部屋を必要に応じて仕切って使うスタイルにしたほうが建築費を抑えられます。

また、屋根の形は片流れまたは切り妻が低コストですが、片流れを採用した場合には間取りなどで工夫が必要になる場合もあります。屋根の形はポピュラーでかつシンプルな切妻屋根がおすすめです。

(6)コストがかかる和室は造らないという選択もあり

 和室に使う仕上げ材は洋室よりも割高なので、ぜひ和室が欲しいという場合以外は和室を造らないプランにするという選択肢もあります。

代わりに小上がりスペースで和の趣きを演出するなど、コストのかからない方法も検討しましょう。

(7)水回りを一か所にまとめる

 給排水設備工事を必要とする水回りはできるだけ1か所にまとめることでコストダウンになります。
2階建ての家の場合に2階にトイレを造ることもありますが、トイレを1か所にすることでもかなり節約できます。

(8)ウォークインクローゼットやパントリーをプランに組み込む

 収納スペースもシンプルなほうがコストダウンできます。
家具仕様のクローゼットよりも室内スペースを区切って棚やパイプを設置するだけのウォークインクローゼットがおすすめ。

キッチンには見渡しやすいオープン収納のパントリーが近年人気です。余分なモノを持たないと決めて収納を多くしすぎないようにすることも大切です。

(9)大きなバルコニーを造らない

 2階に設置するバルコニーは用途を明確にして、適正な広さに設定します。
多くの場合、洗濯物を2階まで運んで干すことはあまりなく、2階寝室の布団などを干すとき使うのみ、ということが多いのではないでしょうか。

バルコニーの大きさと位置は家全体の外観デザインにも大きく関わるので早期に決めておきましょう。

これらの項目は工務店選びなど、家づくりのかなり早い段階から意識し、プランに反映させていく必要があります。

特に、予算および延べ床面積や間取りに関することは家族でよく話し合ったうえで早期に工務店にはっきり伝え、打ち合わせを進めていくようにしましょう。

部材・仕上げ材選びでコストダウン

在来軸組工法の場合、基礎、土台、柱、梁と工事が進んでいきます。家が完成すると見えなくなる基礎工事の部分や、断熱性能・耐震性能にかかわる部材はコストダウンすることはできません。しかし内外装の段階に入ってくると選択肢が増え、どこにどんな素材を使うかでコストが違ってきます。

ただし、内外装の全般にわたってコストカットしてしまったら個性のない賃貸物件のようになってしまいます。自分がこだわりたい部分にはお金をかけて、その他の部分でコストダウンするというメリハリが大切です。
以下、コストダウンにつながる部材・仕上げ材の選び方について解説します。

(1)壁はクロス仕上げが最も低コスト
 壁は面積が広いので、コストダウンのポイントとなります。家の内壁の仕上げにはクロス(壁紙)、塗り壁、板壁などがありますが、クロス仕上げが最も低コストです。
自然素材の漆喰や珪藻土などの塗り壁は、費用はかかりますが見た目が美しく空気清浄効果も期待できます。近年は自然素材の壁紙もあるので、工務店と相談しながら希望に合うものを選択しましょう。

ウォークインクローゼットや水回りなど目立たない場所には安価なクロスを使ったり、家全体でできるだけ同じ素材を使ったりすることでもコストダウンにつながります。

(2)床材は場所に合わせた素材を選んでコストダウン
 家族が集まるリビングルームの床は多少はコストがかかっても、見た目が美しく断熱性能にも優れた無垢材を使うという人が多いと思います。
一方、洗面所などにはビニール素材、子ども部屋は張り替えを想定して安価な床材を選ぶなど、低コストでかつスペースごとに適した床材を選ぶことができます。

(3)見た目の印象を決める「ドア」の予算は削らない、一方で不要なドアはつけない
 玄関ドアやリビングなどの目立つ部分に設置するドアは、家全体の印象を決める部分となるのであまり予算を削らないほうがいいでしょう。

壁や床などの広い面積を占める部分でコストカットしていても、上質なドアをつけることで全体が上質に見えます。一方で、収納棚や水回りの通路などにはドアをつけず、必要に応じてカーテンなどをあとで追加するとコストダウンになります。

(4)特注品はワンポイントで使用し、全体ではなるべく既製品を使う
 ドア、造りつけの家具、柱や間仕切りなど、家の個性を表現したいときに部材を特注することがあります。
ぜひともこだわりたい箇所については、特注してでも実現させましょう。

一方、他の大部分についてはできるだけ既製品を使いましょう。
今は多様な既製品が市販されているので、特注品を使用しなくても個性的なデザインの内装仕上げが可能です。

(5)壁材・屋根材はトータルなデザインに合う素材の中から選ぶ
 屋根材には瓦、スレート、金属とそのバリエーションがあります。
例えば瓦の場合はセメント、樹脂などを組み合わせた軽くて耐久性に優れたハイブリッド瓦などが登場しています。

外壁仕上げはモルタルに代表されるような塗り壁、板状の壁材を使う「サイディング」が主流です。塗り壁もサイディングも多種多様な素材があり価格も様々です。
家の外観の印象のポイントとなる外壁と屋根は、家のプランを決める段階でほぼ使用する素材が限定されるので、その範囲内でコストを考慮して選びましょう。

水回り・電気設備などの選び方でコストダウン

お金をかけることもできるし、逆にとことん節約することもできるのが洗面所・バスルームなどの水回り設備や電気設備です。
コストダウンしようと考えるなら、予算に合う既製品を選ぶことが望まれます。希望に合う選択肢を幅広く示してくれるとともに、施主支給などの相談にも柔軟に応じてくれる施工会社が望ましいといえます。

(1)「施主支給」は施工会社と相談の上で進める
 施主支給とは、設備や建材を自分で購入して設置することです。
ユニットバス・システムキッチンなどのほか、前項で紹介した仕上げ材・部材に該当する壁紙やドアなどもまれに施主支給する場合があります。
照明・エアコンなどは施主支給するケースもかなり一般的です。自分で安い製品を探してくることでコストダウンできますが、トータルの費用を考えるとさほど節約にならない場合もあるので注意が必要です。

施主支給では、ホームセンターやネット通販で購入した設備・製品などを持ち込んで設置を依頼するので、別途工事費がかかります。

また、購入した品が建物の仕様に合わず設置ができないという可能性もあるので、必ず事前に施工会社と十分に相談のうえ進めることが大切です。

(2)水回り設備は「造作」より既製品のほうが割安
 キッチン・洗面所・バスルームなどの設備は、内装工事によって造る「造作」とメーカー品を設置する場合があります。

一般的には、既製品の「システムキッチン」「ユニット洗面台」「ユニットバス」の安価なものを選択すると造作工事よりも割安です。

しかし既製品のシステムキッチンやバスルームでもハイグレードなシリーズを選べばかなり高額となります。

(3)「浴室乾燥機」「床暖房」などの電気設備は、本当に必要かを検討する
 近年の注文住宅では標準的となってきた設備に「浴室乾燥機」「床暖房」、それにビルトインタイプの食器洗浄機などがあります。
どれも便利な機能ですが、もし設置してもあまり使用しなかったら無駄になってしまいます。

浴室乾燥機は浴室に洗濯物を干して乾燥させる機能ですが、家族が多くて浴室を頻繁に利用する場合は使える機会が限定されます。
また、温暖な気候で普段から暖房をあまり使用していない地域では床暖房が不要かもしれません。

今は便利な機能が増えていますが、自分や家族のライフスタイルに合わせて本当に必要なものを選びましょう。

(4)価格の幅が広い「照明器具」で上手にコストダウン
 住まいには多くの照明器具が必要です。
照明器具はデザインも機能もさまざま、安価なものから非常に高額なものまでバリエーションが豊富なので、コストダウンのポイントとなります。
リビングや玄関などの照明にはお金をかけつつその他はシンプルな照明を選ぶといったメリハリのある予算配分で節約できます。

照明器具を選ぶ基準はいくつかあります。
・仕様…天井に付ける「シーリングライト」、吊り下げる「ペンダントライト」、天井に埋め込む「ダウンライト」などのタイプがあります。
・明るさ、色…部屋と照明の数によって照明の明るさや色を選びます。
・調光機能…明るさや色を微妙に調光できるタイプもあります。
・電球を交換するタイプかどうか…電球交換不可のLED照明は手軽で安価です。電球が交換できるタイプは交換する電球の耐久性・価格も要チェックです。
他に、使用電力量や照明の耐久性なども考慮の対象となります。

トータルで考えたい、家の維持経費「ランニングコスト」は大丈夫?

家は建てるときだけでなく、建てたあとも毎年一定のお金がかかります。
家づくりの段階で、将来にわたり毎年必要となる家の諸経費である「ランニングコスト」を抑えることを考慮しておくことも大切です。

家づくりの際にコストはかかっても、光熱費などのランニングコストの節約になるのが「ZEH」(ゼッチ)に代表されるような省エネ性能を備えた家です。省エネ設備により光熱費が抑えられるだけでなく、環境にやさしい暮らしが実現します。

光熱費がゼロ円!? 省エネ住宅「ZEH」でランニングコストを削減

ZEHとは、「(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、エネルギー消費量が少ない家のことです。夏は涼しく冬温かい高気密・高断熱構造の「断熱」、エアコンや照明など、エネルギー消費量の少ない設備を導入することによる「省エネ」、太陽光発電システムなどでエネルギーを創り出す「創エネ」の3つの機能を兼ね備えた家のことです。

ZEHと呼べる家が満たすべき条件は国が細かく指定しています。

ZEH住宅を建てる場合、ZEH性能でない一般の住宅と比較して200~400万円ほどのコストアップとなりますが、最大125万円まで(2019年度の場合)のZEH補助金(経済産業省・環境省)をはじめ、「地域型住宅グリーン化事業(国土交通省)」などの補助金が利用できます。

※ZEHの詳細および補助金制度についてはこちら

ZEHではコストがかかる一方で、エネルギー消費量が少ない上に太陽光発電で創エネもするので、光熱費が非常に少なくなります。太陽光で発電した電力の売電ができれば節約効果はさらに大きく、年間光熱費をゼロに近づけることも可能です。

4人家族世帯の場合の平均的な光熱費は、約30万円程度。省エネや創エネで光熱費が年間10万円に抑えられるZEHの家に住んだ場合は年間20万円の節約ができます。10年間住んだ場合では
20万円×10年=200万円
となり、建築費の200万円は回収できるということになります。ZEHの家は耐久性もありますから、さらに長く住むことにより建築費用のコストを回収してリターンも得られるということになります。

家のプランニングで考慮したい、省エネ効果が高い家のデザイン

省エネは断熱構造や設備だけでなく、家のプランニングの段階でも考えておきたいテーマです。家のデザインで省エネを実現するポイントについてご紹介します。

(1)自然条件を活用する「パッシブデザイン」とは
パッシブデザインとは、太陽光や風の流れといった自然条件を最大限に活用する家のデザインのことです。
冬は太陽の熱を家のなかに効果的に取り入れて暖かく、夏は太陽光を遮りながら換気をよくして涼しくして、エアコンを使用しなくてもできるだけ快適な環境を保てるようなデザインのことです。たとえば以下のようなものが含まれます。

・自然の風向きを考慮して、家の中に風を取り入れる
・風の通り道を作り、夏は熱い空気を輩出できるようにする
・夏は日差しを遮り、冬は日差しを取り入れるように軒・ひさしを設計する
・家に日陰をつくるよう、庭に樹木を植える

パッシブデザインは家を建てる土地の個別の環境に対応して具体化されます。積極的にパッシブデザインを取り入れたい場合、施工会社や設計事務所にプランニングの段階から相談していきましょう。

(2)「吹き抜け」は一般的には省エネにマイナスだが、効果的な利用法もある
2階建て住宅の一部を吹き抜けにした場合、一般的には熱効率が悪くなるので省エネの観点からみるとマイナス効果で、実際に冷暖房費がかさんでしまうこともあります。

ただし、最近では太陽光や風を効率よく取り入れるパッシブデザインの一環として吹き抜けを取り入れるケースも増えています。。吹き抜けを取り入れたデザインにする場合は、家全体の省エネ性能について設計者・施工会社とよく相談しましょう。

(3)窓の大きさ、位置、素材で省エネ性能が変わる
 近年は温暖化の影響で夏の暑さが厳しくなっています。暑い夏を快適に過ごすための家づくりでは窓がポイントになります。
従来の日本の家づくりでは南向きに大きな窓を造るのが一般的ですが、暑さ対策を重視するなら直射日光が当たる場所の窓は小さくしたほうが冷房効率は上がります。

別の方法としては断熱性能に優れた窓にして外からの熱を遮る選択肢もあります。採光や風の通り道の確保のための天窓・高窓などを効果的に配置しながら窓断熱性能を上げることで十分な省エネ効果が期待できます。

手入れがしやすく耐久性のある家づくりで、メンテナンスを楽にする

光熱費のほかに家のランニングコストとして意識しておきたいのが、家の耐久性です。
新築の家は築15年を過ぎたあたりから各種の修繕が必要になってきます。また、家族の成長とともにリフォーム工事が必要になることも考えられます。

あらかじめ修繕・リフォーム費用のことも考えて、メンテナンスがしやすく長期で住める家づくりをすることが大切です。

(1)長期優良住宅とは
 注文住宅の耐久性を高めたいと考えるとき、参考になる指標のひとつが「長期優良住宅」です。日本の木造家屋の寿命は従来、約30年といわれてきましたが、近年は住宅を社会の資産としてとらえ、100年住むことも可能な家づくりが推進されています。震災など大規模自然災害への備えという観点からも家の耐久性が重要です。

長期優良住宅は安定的な構造、断熱構造、防災仕様、バリアフリー構造など、国の定めた基準をクリアする必要があります。

基準をクリアした住宅は所管の自治体などに申請して認定を受けられるので安心感があり、しかも税制上の特例措置を受けることができます。各市町に担当窓口があるので詳しく知りたい場合は問い合わせてください。(西条市の例はこちら

(2)家づくりでコストダウンしてはいけない、耐震性・耐久性にかかわる部分
 家の基礎や構造部分は耐震性と耐久性の要なのでコストダウンの対象とはなりません。
基礎や構造の次に重要なのが断熱構造部分です。

家の断熱性を高めることで光熱費を節約できるだけでなく、家の耐久性もアップします。各工務店などによって断熱の工法は違うので、施工会社から説明を受けて納得して進めていきましょう。

(3)壁材・屋根材などを選ぶ際、耐久性とメンテナンスのしやすさを考慮
 壁材や屋根材を選ぶとき、建築施工費を節約するという観点のほかに、耐久性やメンテナンスのしやすさも考慮すべきポイントとなります。
最近人気があるのが外壁・屋根どちらにも利用できる「ガルバリウム鋼板」です。軽くて施工がしやすい上、住み始めたあとのメンテナンスが楽で耐久性にも優れているというのがその理由です。

ほかにも樹脂やコンクリートを主原料として耐久性に優れた最新の素材があるので、好みや予算に応じて比較検討の上、選びましょう。

手抜き工事リスクにも注意!信頼できる工務店とは?

ここまで注文住宅のコストダウンの方法について解説し、工事全体のなかでコストダウンできる部分とコストダウンすべきでない部分があることもご紹介してきました。

そこで、重要になってくるのが施工会社選びです。相見積もりで最も安い金額を提示してきた会社に依頼した結果、手抜き工事をされてしまうようなことは最も避けたい事態です。

施工会社には施主の予算と希望に合わせて適切なコストダウンの手段を説明してくれること、良心的な価格で工事を請け負いつつ、安全で快適な家を造ってくれることなどが求められます。信頼できる工務店選びのポイントについてご紹介します。

(1)一定の企業規模と実績がある会社を選ぶ
施工会社には大きなお金を預ける訳ですから、会社としての信頼性が最も重要です。まず最初に会社の公式ホームページを見て、以下のことを確認しましょう。

・設立年月日…創業から何年経っているか
・免許・登録…都道府県知事、建設大臣などの免許の表示
・認定資格など…ZEH認定ビルダー、ISO認証など
・代表者の情報…社長の名前、会社の理念、社長ブログなど
・施工実績…写真、施工実績数など

具体的なデータ以外でも、ページ自体がわかりやすく具体的かどうか、施工例の写真を見て自分の好みに合うかどうかなど、ホームページから得られる判断材料は多数あります。

(2)会社の事務所と工事現場をチェックする
 ホームページだけでなく実際の会社の様子も確認しましょう。
施工会社選びの段階では担当営業マンが自宅を訪れることが多いですが、最低でも一度は会社の事務所へ出向き、会社の雰囲気や働いている人の様子を確認するといいでしょう。
また、その会社が手がけている現場を見ることも重要です。施工会社によっては「現場見学会」などを定期的に開催していますが、できればこうした機会以外の工事現場の普段のようすも見ることができると大いに参考になります。

(3)担当者の説明がわかりやすく信頼できるか
 例えば、かなり安い見積もりや値引きを提示しながら契約やお金の振込を急がせるような担当者や、細かい質問をしたときにきちんと回答しなかったり、連絡をとりたいときになかなか返事がこない担当者は信用できません。
「できるだけ節約したい」という希望を伝えた場合、金額の値引きはするが詳細な方法を説明しない会社だと不安ですが、具体的なコストダウンの方法とそれによりどれくらい節約できるかなど、納得できるような説明をしてくれて、説明通りの内容を反映させた見積書を提示してくれる担当者なら任せても大丈夫です。

(4)職人を雇用している中規模の工務店が望ましい
 施工の依頼をする対象にハウスメーカー・地元工務店・設計事務所がありますが、コストダウンの観点から選ぶのであれば地元工務店がおすすめです。
ハウスメーカーは全国規模で広告宣伝費をかけている分、家が割高になっているし、設計事務所に依頼すれば設計料が別途必要となります。

さらに地元工務店のなかでも選ぶ基準があります。下請けに出すことなく自社で工事ができる会社、つまり、大工や職人を従業員として雇用している会社は外注費がゼロでしかも安定した品質と価格で工事ができるので割安となります。

(5)アフターケア体制を明確にしている会社
 建てた家のアフターケアについて、一定期間の無料保証とその後の定期点検や有料メンテナンス制度などをトータルで制度として設けている会社が増えています。近年では保証期間は長くなる傾向で、短くて30年以上、長い場合には60年以上などとなっています。こうした保証制度の内容についても必ずチェックしましょう。