家を持とうとするときにいろいろな選択肢があり、「戸建かマンションか」というのもそのひとつです。
戸建とマンション、それぞれにメリットとデメリットがあります。大切なことは、それぞれの特性を理解して、自分にとって最適な選択をすることです。
今回は、戸建とマンションのどちらを選ぶべきか、その比較のポイントについて解説していきます。
マンションのメリットは「価格」「利便性」「住み替えのしやすさ」
戸建と比較したときのマンションの大きなメリットは以下の3つです。
1 価格が割安である
2 生活利便性に優れている
3 住み替えしやすい
まず、マンションの魅力といえるこの3点をくわしくみていきます。
同じ条件で比較したら戸建よりマンションのほうが割安
マンションを購入する単純に戸建とマンションを比較した場合、一般的には「一戸建に住むほうが贅沢」というイメージがありますが、それは価格の差によるものです。なぜ戸建とマンションを比較するとマンションのほうが割安になるのでしょうか。
それは、購入価格に含まれる土地代の差によるものです。
土地付きで注文住宅を新築して購入する場合、建物と同時に土地を購入する必要があります。
一方、新築マンションを購入する場合の土地代は、マンションの敷地面積を総戸数で割ったものになります。したがって、マンションの個数が多い大型マンションでは土地代が占める割合は低くなります。
戸建とマンションの価格差は地代が高い都市部ではかなり大きくなります。
例えば東京の人気住宅街である世田谷区のある土地を例にとると、地代は1坪あたり200万円以上。20坪なら土地代だけで4000万円にもなってしまいます。このような地域に土地を購入して注文住宅を建てることができる人は限られるでしょう。
一方、愛媛県西条市の場合、都市部と郊外でもばらつきがありますが、ある住宅街の土地代では1坪あたり20万円、20坪で400万円、50坪で1000万円となります。
つまり、あるエリアで家を探す場合、延床面積や駅からの距離、建物のグレードなどの条件がほぼ同一の戸建とマンションを比較した場合はマンションのほうが割安ということになります。
ただし、実際に戸建とマンションを購入した人の実績を調査すると、近年では購入した物件の平均価格は戸建よりマンションの方が高いという事実があります。住宅金融支援機構のフラット35利用者調査によると、2018年度に土地付き注文住宅とマンションを購入した人の所要資金の全国平均は以下の通りです。
全国の新築物件購入費の平均 | 愛媛県の新築物件購入費の平均 | ||||
土地付き注文住宅 | 4,113 | 万円 | 土地付き注文住宅 | 3,735 | 万円 |
マンション | 4,437 | マンション | 3,424 | ||
住宅金融支援機構2018年度調査より |
このようにマンションのほうが高額になっている背景に「マンションのハイグレード化」があります。都会では一等地を再開発する一環としての「タワーマンション」ブームがおきていて、億ションに近い価格のマンションが多く供給されており、一方郊外では地代が安くなっている地域も多いため戸建の価格が下落傾向にあるのです。
しかし五大都市圏以外では高額マンションが売り出されることが少ないので、一般的なセオリー通り、戸建の価格>マンションの価格となっています。
上記と同じ調査で愛媛県の平均値を見てみると、土地付き注文住宅が3,735万円、新築マンションが3,424万円となっているので、愛媛県では実績値でみてもマンションのほうが割安という現状です。
生活の利便性では戸建てよりマンションの方が上
マンションのメリットは購入価格の割安感だけではありません。暮らしの利便性という観点からみると戸建よりもマンションのほうが優れています。
まず第一に、マンションは交通アクセスのいい駅の近くや街道沿いなどの便利な立地にあるので、通勤や買い物に便利です。
近年は地方都市などで近隣のスーパーが閉店することによる「買い物難民」や「過疎化」が問題となっています。戸建を購入する時点では車やバスを使って生活できていても、20年、30年後はどうなるかわかりません。繁華街や大きな駅の近くにあるマンションであれば、将来的にもある程度の利便性が保たれると期待できます。
次に、マンションは管理事務所があることによる便利さがあります。ほとんどのマンションではいつでも集積所にゴミを出すことができます。また、最新のマンションでは宅配ボックスやゲストルームなどを備えています。そしてセキュリティ面でも安心感があります。
さらに、ハイグレードなマンションではフィットネスジムやあったりホテルのようなコンシェルジュサービスを提供していたりします。
また、マンションでは「鍵一つで外出できる」という手軽さがあります。外出の際にすべての窓やドアの施錠を確認することはなかなか大変ですが、マンションではそのわずらわしさがありません。建物の管理や共用部分の清掃を自分でする必要がないというのもメリットです。
マンションの利便性の多くは無料ではなく「管理費」を支払っていることの対価です。しかし戸建の場合は類似のサービスがないので、マンションならではの暮らしやすさといえるでしょう。
マンションのほうが、将来の売却や賃貸への転用がしやすい
次に将来に目を向けてみましょう。ライフステージの変化に伴い家の需要は変化します。「住み替え」が必要になったときにはマンションのほうがとれる選択肢が豊富です。
たとえば転職などで違う土地に移住する場合、家は「売却」か「賃貸へ転用」することが考えられます。マンションは開発業者が人気のエリアを選び、多くの人の需要を見込んだうえで建てられているので、中古物件として売る、あるいは賃貸物件とする場合に、戸建よりも買い手・借り手が見つけやすいといえます。
一方戸建、特に注文住宅の場合は立地から建物プランまで個人の好みを反映させた住まいなので、買い手や借り手を見つけることは可能ですが、時間がかかったり希望通りの価格で売却できなかったりすることがあります。
ただしマンションの売却しやすさ、賃貸にしたときの借り手のつきやすさは築年数とともに低下します。近年は人口減少傾向で重要の割に供給が多いため、築年数が10年を超えると売却価格はかなり下がるし、賃貸で借り手をつけることもかなり難しくなっていきます。
また、上記は戸建とマンションをひとくくりにして比較した場合の一般論であり、個別の物件では事情が変わることももちろんあります。
戸建・マンションどちらの場合も賃貸への転用をする場合はリフォームが必要となります。川下建設ではマンションのリフォームも手掛けています。適正な賃料でスピーディーに借り手を見つけるためには時代のニーズに合ったリフォームが重要となるのでぜひご相談ください。
長期的に見た戸建とマンションの資産価値についてはあとで解説します。
マンションのデメリットは「管理費」「住まいの自由度」
戸建と比較したときのマンションのデメリットとして以下2つがあげられます。
1 管理費がかかる
2 マンションならではの暮らしの制約がある
ローンが終わってもマンションでは管理費がかかる
前項で紹介したようにマンションでは便利・快適に生活することができる代わりに、毎月管理費・修繕積立金を支払う必要があります。その平均的な金額は1.5~3万円。
相応のサービスを受けるための対価ではありますが、住宅ローンの支払いが終わっても住み続ける限りずっと支払い続ける必要があるというのが悩ましいところです。仮に管理費と修繕積立金の合計額が2万円だった場合年間24万円、30年間で支払う金額は720万円にものぼります。マンションの管理費と修繕積立金はグレードの高いマンションではさらに高額となります。
一方戸建の場合はローンの支払いが終わったらあとは税金を支払うのみでランニングコストを抑えることができます。
管理費はマンションの快適な暮らしを支えている費用ですが、住み続けたときのリタイア後の生活設計を考えるとかなりの負担感となることも想定されます。
マンションでは「規約」など生活上の制約がある
集合住宅という性格上、マンションには共同生活のルールが定められています。それが「マンション管理規約」などと呼ばれるルールです。マンションによってはペット飼育や楽器演奏に一定の制限がかけられていることもあります。ほかには共用部分に私物を置くことの禁止やリフォーム工事をする場合の事前申請などのルールがあり、さらに何年かに1度は持ち回りでマンション管理組合の役員となって定例会議に参加する義務もあるはずです。
そして規約のあるなしに関わらず、マンションでは生活するうえで隣人への気遣いが必要です。たとえば、大きな物音や振動を控えること、喫煙その他臭いを出さないようにすること、共用部分にモノを置かないことなどがあげられます。
こうしたルールを煩わしいと思う人は戸建の住まいを選ぶべきでしょう。戸建ではルールに縛られずに自宅を使うことができます。
戸建のメリットは「庭や車庫がある暮らし」「プライバシー」「建替の自由度」
マンションと比較したときの戸建のメリットとして以下があげられます。
1 庭や車庫がある暮らし
2 プライバシーが保たれやすい
3 増改築・建替えが自由
戸建なら、庭や車庫が持てる
戸建でないと実現できないものとして「庭」や「専用車庫」があります。
花や野菜を育てたり、子どもを遊ばせたり、大型犬を飼ったり。そんな暮らしがしたい人にとっては庭付きの一戸建ては大きな魅力。リビングからいつも眺められる、樹木や季節の花がある庭がぜひ欲しいという方もいるでしょう。庭があることによって生活の豊かさが広がります。
また、車庫についても戸建なら自由なプランで設置することができます。家に直結のビルトインガレージ、2台分の駐車スペースなど、家族が車を使うシーンに合わせて希望通りの車庫を設置することができ、マンションと違って駐車場代もかかりません。バイクや自転車、釣りやキャンプなどのアウトドアの趣味がある人も専用ガレージや倉庫などを家の敷地内に造ることができます。
このように、「家で過ごす時間」に特別なこだわりがある人は、マンションより戸建のほうが向いているといえます。
独立した戸建の方が、プライバシーが保たれる
マンションの場合は壁を隔ててすぐ近くに隣人がいますが、戸建であれば隣家までの距離があるので、周囲に対して「物音や振動を出さないように」という気遣いが少なくてすみます。
例えば深夜に家族で会話をしたり、洗濯や掃除などの家事をすることもある程度までは可能です。また、2階建ての家では家族間でもプライバシーを保つことができます。
子育てファミリーであれば赤ちゃんの夜泣きや室内で兄弟が騒ぐようなことも多いですが、子どもがいて常に賑やかな家族は戸建のほうがのびのびと生活できるでしょう。また逆に、外からの物音に煩わされない静かな暮らしをしたい人にも戸建がおすすめです。
また、マンションには細かいルールが定められていますが、戸建にはありません。もちろん、生活していくうえではゴミ出しや近所づきあいでのルールどを守る必要がありますが、マンションの暮らしよりはかなり自由です。
ただし、必ずしも「マンションより戸建のほうが自由」といえない場合もあります。例えば古くから住んでいる人が多い地区に家を建てる場合などでは、自治会費の支払い、持ち回りの清掃当番や祭りの参加義務など、町内会の細かいルールが存在することがあります。気になる人は住む場所の個別の事情については、事前のリサーチをおすすめします。
戸建は増改築・建替えが自由にできる
戸建は自分だけの所有物なので増改築・建替えが自由にできます。
例えば両親が住む家を二世帯住宅にリフォームして息子夫婦が同居する、子どもが成長したので子ども部屋を増やす、あるいは老親を引き取って同居するなど、ライフイベントに合わせて家の増築・改築が自由にできます。しかも、住み替えや新居の購入よりもコストは少なくて済みます。
また、建物が老朽化したときは改築することができます。
増改築(時には減築も含む)や建替えが自由にできるので、現在ある資産を将来にわたって無駄なく有効に活用していくことができます。
生まれ育った家のある地元で成人してその後もずっと地元で仕事を続けていくような人は、住み替えの必要がないので、戸建を購入することが多いでしょう。親の家や土地を引き継いで守っていくか、あるいは別途自ら土地を購入して家を建て、増改築をしながら住み続けていくといったようなスタイルです。
戸建のデメリットは「家周辺の清掃・メンテナンス」「防犯」「災害対応」など
マンションと比較したときの戸建のデメリットとして以下があげられます。
1 家周辺の清掃・メンテナンスが必要
2 自ら防犯対策をする必要がある
3 自然災害への対応
戸建は家の外壁や庭の清掃・メンテナンスが必要
戸建に住む場合、マンションなら管理事務所が請け負ってくれる清掃や雑務をすべて自分で行う必要があります。
庭や駐車場の定期的な清掃はもちろん、家が接している道路の落葉の掃き掃除などが町内会で義務付けられていることもあります。台風のあとの清掃や雪かきなどがかなりの負担となる場合もあるでしょう。
戸建住まいで発生する雑務としてはゴミ出しをあげる人が多いです。戸建でのゴミ出しは自治体で決められた曜日と時間を守らなくてはなりません。
新しいマンションでは標準装備されている宅配ボックスも戸建にはありませんが、これについては「戸建用宅配ボックス」を自分で設置することも可能です。
さらに、マンションでは管理組合が実施する外壁の清掃とメンテナンス、排水管清掃などは自ら手配して定期的に行う必要があり、費用もそれなりにかかります。
庭がある場合は庭の手入れも欠かせません。手入れを怠ると建物の資産価値を損なってしまうので、「メンテナンススケジュール」に沿ってきちんと進めていく必要があります。
自らの責任で万全を期したい、戸建の防犯対策
戸建に住む人の多くが気を遣うのが防犯対策。警察庁のデータ(2018年)によると、窃盗事件の件数は2000年代以降で減少しているとはいうものの、侵入窃盗犯罪の認知件数に占める戸建住宅の割合は42.5%で、その多くは空き巣。
また、一戸建住宅への侵入口は窓が57.6%と6割近くにのぼり、侵入手段は無締り(無施錠)が46.5%と約半数を占めています。
こうした現状を踏まえ、戸建住まいの人は十分に注意して例えば以下のような対策をとる必要があります。
・外出時は厳重に戸締りする
・日頃からカーテンを閉めておくなど、外出しているかどうかがわかりにくい状態を保つ
・窓や玄関に二重ロックをつける
・防犯カメラをつける
・窓や玄関の周辺の見通しをよくする
・警備会社と契約する
・日頃から近隣とのコミュニケーションを密にして情報を共有する
防犯対策にはそれなりにコストもかかります。しかしそれは家族の安全のために不可欠なコストと考えて、万全に対策することをおすすめします。
戸建の大敵・自然災害から家を守るには?
日本は地震大国ということで耐震性能への関心は高まっています。戸建を新築する、あるいは新築の建売住宅を購入するときには最新の耐震性能が適用されているので、一定の安心感が得られます。
しかし近年、前例がない規模の台風・ゲリラ豪雨・竜巻などによって引き起こされる家の損壊・浸水などの被害が増えています。鉄骨鉄筋コンクリート造りのマンションと比べ、木造であることが多い戸建はこうした自然災害に対して不安があります。
過去には自然災害が少なかった地域も例外なく、ゲリラ豪雨などによる災害のリスクが増しているので、いつ、どこの場所でも自然災害は起こりえると考えたほうがよさそうです。
自然災害への対策例としては以下があります。
・土地を購入する場合は標高・地盤・過去の災害履歴などをチェックする
・物干竿など飛ばされて危険なものを片付ける
・台風接近時は窓を施錠し雨戸をしっかりと締める
・幅広く自然災害をカバーする火災保険契約をしておく
日本では自然災害が増加していることに伴い、近年火災保険の保険料が上昇していますが、大切な自分の戸建を守るためには必要な出費のひとつといえるでしょう。
戸建とマンション、資産価値で有利なのはどちら?
戸建とマンションの資産価値の違い
戸建とマンションの資産価値はどう違うでしょうか。それを考える前に「資産価値」はどう決まるのかを確認しておきます。
資産価値は「需要」によって決まるものです。
つまり住宅であれば、買い手が多い物件は高く売れるし、借り手が多い物件は高い賃料で貸し出すことができます。
したがって、購入価格が高かった家なら資産価値が高いとは限らないということをふまえてきましょう。
一般的に戸建の耐用年数は約30年、マンションは約50年といわれています。
これを基準として築年数が経つと資産価値が減るので、戸建のほうが早く資産価値が下がっていきます。
単純計算すると、築15年では戸建ての価値は半分、マンションの価値は3割減価となり、中古住宅として市場に出回る相場の価格はこれより低くなることがほとんどです。
ただし実際に売却できる価格はその物件の需要のあるなしによって決まるので、さらに低い価格となることもあるし、都心の駅から近い稀少物件では基準値よりも高い場合もあります。
そして最終的には、マンションの資産価値は50年後にはゼロに近くなりますが、戸建の場合は土地が資産として残ります。
資産価値を重視するなら戸建とマンション、どちらを選ぶべき?
家を購入するにあたり、できるだけ資産価値が落ちない物件を選びたいと考える場合は戸建かマンション、どちらが有利でしょうか。実は、長い目で見れば、どちらでもあまり変わりはありません。重要なのは、個別の物件選びです。
ただし、15年以内に住み替える可能性が高い場合はマンションを購入したほうが後々の住み替えがしやすい可能性があります。ただし、いい条件で売却や賃貸転用をするには駅から近く環境もいい立地の物件であることが重要です。
戸建の場合も資産価値を重視するなら交通の便がいい人気エリアの立地を選びましょう。地方都市では今後に向けてコンパクトシティ化などのまちづくり計画を策定していることが多いので、その場合は計画区域内であることが望ましいです。
合わせて、住宅の性能も重要となるので、長期優良住宅の認定も取得しておきたいところです。
資産価値は近隣に新しい商業施設ができたり、逆に過疎化が進んだりといった環境の変化によっても左右されます。隣に高いビルが建って日当たりが悪くなるというようなこともあり得ます。家を持とうとしている場所については周辺環境や街の将来性についても可能な限りリサーチすることをおすすめします。
戸建とマンションのどちらを選ぶかは、ライフスタイルに合わせて決める
最後に、戸建とマンションのメリット・デメリットをまとめておきます。
費用
戸建 | マンション | ||
家の購入価格 | △ 割高 | 〇 割安 | 延床面積や立地条件が同じなら、土地代が少ないマンションの方が割安。地代が高い都市部ではこの価格差が大きくなる。 |
建物周辺の整備費用 | △ 庭や塀の工事費用がかかる | 〇 共用部分は建物価格に含まれる | 戸建では建物以外にも工事費がかかる。 |
維持経費 | △ 修繕費用などが必要 | × 管理費・修繕積立金が必要 | マンションの場合はローンを払い終わっても毎月管理費や修繕積立金を支払い続ける必要がある。 |
生活について
戸建 | マンション | ||
交通利便性 | △ 郊外の立地が多い | 〇 駅周辺など便利な場所が多い | 車を使わずに暮らせる利便性を重視するならマンション。 |
家の広さ | 〇 広い | △ 狭い | 平均値では戸建のほうが広い。 |
庭の活用 | 〇 家庭菜園ができる 〇 ペットが飼いやすい |
× 庭がない | マンションでは室内でペットを飼ったりバルコニーで植物を育てたりできるが、自由度はかなり低い。 |
車庫 | 〇 駐車場代がかからない | × 駐車場代がかかる | |
眺望 | 〇 高層階なら眺めがいい | ||
室内生活の自由度 | 〇 騒音問題が少ない | × 騒音が気になる | マンションでは騒音や振動を出さないよう気遣う必要があるし、隣室の騒音に悩まされることもある。 |
プライバシー | 〇 保たれる | △ 保たれにくい | 最新のマンションでは騒音や振動が漏れにくく、プライバシーもかなり保たれる。 |
バリアフリー | △ 階段があると不便 | 〇 バリアフリー仕様のマンションも多い | バリアフリーリフォームをする場合もマンションの方が工事しやすい |
ゴミ出し | △ 決められた日時に出す | 〇 共同集積所が利用できる | マンションでは夜などにゴミ出しすることも可能。 |
その他サービス | × 特になし | 〇 宅配ボックス、ゲストルームなどが利用できる場合もある | グレードの高いマンションではホテル並みのサービスを提供していることもある。 |
家周辺の清掃 | △ 庭や家周辺の管理・清掃をする必要がある | 〇 共用部分の管理・清掃は負担なし | 戸建では落葉清掃や雪かきなどが大きな負担になる場合もある。 |
戸締り | △ 戸締りが大変 | 〇 戸締りが容易 | マンションは鍵一つで外出できる便利さがある。 |
セキュリティ | △ 独自で防犯対策する必要がある | 〇 セキュリティー面で安心感がある | マンションは管理事務所、防犯カメラや周囲の人の目があるので比較的安全。一方戸建では警備会社と契約するなど、独自に防犯対策をする必要がある。 |
光熱費 | × 光熱費が割高 | 〇 光熱費が割安 | マンションは戸建よりスペースが狭く周囲を壁に囲まれていて機密性が高いので、光熱費が割安。しかし、戸建でも最新の高気密・高断熱の家であれば光熱費は抑えられるし、太陽光発電を導入することもできる。 |
災害に対する強さ | △ 水害・風害などのリスクがある | 〇 台風や地震の被害が比較的少ない | マンションは水害や雪害の心配が少なく、鉄骨鉄筋コンクリート造のため地震にもかなり強い。戸建は耐震性能をクリアしていても水害などの不安がある。戸建・マンションとも古い建物であれば耐震性能などをチェックする必要がある。 |
コミュニティ | △ 自ら隣人づきあいをしていく必要がある | 〇 コミュニティが作りやすく、災害時などの安心感がある | マンションのほうが災害時などに情報共有や協力ができる安心感が大きい。戸建でも地域によってはコミュニティー活動が盛ん。 |
将来の住替えや資産価値
戸建 | マンション | ||
リフォーム | 〇 増改築の自由度が高い | △ 増築不可など制限がある | |
最新設備の導入 | 〇 自由にできる | △ 導入ができない、または難しい | 戸建はソーラーシステム、エネファームなどを導入しやすい。 |
建替え | 〇 自由にできる | × ほぼできない | マンションの建替えは居住者多数の合意が必要なので極めて難しい。 |
売却 | △ 建物の価格は評価が低くなる | 〇 築年数が浅いうちなら売却しやすい | 一般的には戸建よりマンションのほうが購入価格に近い価格で売却しやすい。 |
賃貸 | △ 立地によっては借り手がつきにくい場合もある | 〇 賃貸に出しやすい | 便利な場所にあるマンションであれば賃貸物件への転用がしやすい。 |
資産価値 | △ 土地の資産価値は保たれる | △ 築年数の古いマンションはほとんど資産価値がなくなる | 実際には、将来の資産価値は実際には個別の物件の立地条件や建物のグレードによって決まる。土地・建物とも資産価値がなくなってしまう戸建もあれば、資産価値が目減りしにくいマンションもある。 |
これを見ると、どちらも一長一短であることがよくわかります。
「自分はどちらのメリットを重視するか」というように考えると、戸建かマンションどちらを選ぶかは決まってくるでしょう。自分や家族のライフスタイルに合わせて、長期的な視野も持ちながら、納得できる選択をしていきましょう。