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愛媛ならではの注文住宅とは?必要な設備と不要な設備を知ろう


温暖な気候で自然が豊かでありながら、企業も多く仕事も見つかりやすい愛媛県。
生まれ育った愛媛に愛着を持ち、成人してからも住み続ける人、Uターンする人のほか、最近では愛媛に縁のなかった人が移住してくるケースも増えています。
今回は、愛媛県の住宅事情や愛媛の風土を踏まえた家づくりを紹介しながら、「愛媛ならではの注文住宅」について考えてみます。

持ち家比率は意外と低い!?愛媛県の住宅事情

木造住宅の寿命は約30年といわれています。しかし実際には、個々の家の寿命は構造材の耐久性や設計、さらにその後のメンテナンスの状態で大きく変わってきます。
築30年未満でも取り壊したほうがいい物件、築50年経っていながらまだ居住可能な物件などさまざまです。

総務省は5年に一度、住宅・土地統計調査を実施していて、調査結果の一部は愛媛県のホームページにも掲載されています。2013年2018年の調査データを参考に、愛媛県の住宅事情についてご紹介します。

県内総住宅数は増えているが、空き家率も上がっている

愛媛県の平成30年住宅・土地統計調査によると、県内の総住宅数は716,800戸。住宅増加の伸びはだんだんゆるやかになってきていますが、最新の調査でも総戸数は前回より約3%の増加となりました。


引用元:https://www.pref.ehime.jp/toukeibox/datapage/jyuutyou/jyuutyou30/gaisu.html

一方で、空き家数が増加しています。2018年の空き家率は全国平均が13.6%なのに対して、18.1%と高めの数値になっています。
ちなみに四国4県は軒並み空き家率が高く、同じ調査によると徳島19.1%、香川18.0%、高知18.9%。

この状況を受けて、愛媛県ではえひめ空き家情報バンクを開設し、移住者向けのお試し物件などで空き家の活用を促進しています。

住宅の約7割が一戸建てだが、マンションの割合が増加中

愛媛県でも都心にはマンションが建っていますが全体的には戸建が多いというイメージです。
しかし、2018年の共同住宅の割合は全国平均で43.5%、愛媛県では29.0%。全国の傾向と同様に少しず共同住宅、つまりマンションの割合が増えていることがわかります。


引用元:https://www.pref.ehime.jp/toukeibox/datapage/jyuutyou/jyuutyou30/gaisu.html

県内市町に建設された比較的新しいマンションは、多くが交通アクセス・利便性のいい場所に立地し、最新機能を備えた住まいとなっています。
愛媛県で持ち家を検討するときに、マンションという選択肢もかなり一般的になりつつあるといえるでしょう。

持ち家比率は意外と低い!?

愛媛県の持ち家比率は2018年 67%です。

実は2008年、2013年の調査結果でも県の持ち家比率は67%で、ずっと「3軒のうち2軒は持ち家」という状況が続いています。
全国平均の61%よりは高いですが、持ち家比率が最も高い秋田(77%)、富山(77%)、福井(75%)などと比べると低く、山口・佐賀などが67%で同程度です。
他の四国3県は徳島70%、香川70%、高知65%となっています。

愛媛県には松山市、今治市、新居浜市などに大企業の拠点が多く、人の出入が頻繁なことも要因のひとつかもしれません。

愛媛県の気候風土をふまえた、必要な設備と不要な設備

温暖な気候の愛媛県で注文住宅を建てるとき、ぜひ導入したい設備と、住む人によっては不要かもしれない設備について考えてみます。

導入を検討したいソーラーシステム・雨水タンク・愛媛県産木材

将来性の可能性も広がるソーラーシステム
瀬戸内の穏やかな気候で晴天が多い愛媛県ではソーラーシステムで効率よく発電することができます。
発電した電気エネルギーは家庭内の家電で使用できるほか、電力会社に売電することでさらに電気料金を抑えることができます。

さらに蓄電池や電気自動車を導入すれば災害時の電源にもなります。

雨の少ない地域では「雨水タンク」に補助金
瀬戸内海気候で降水量が少ない愛媛県では、地域によっては渇水による給水制限が実施されることがあります。
こうした状況への対処のため、個人の住宅でも雨水タンクを設置することが効果的です。雨水を貯蔵して庭木の水やりなどに活用すれば水資源の節約になります。

雨水タンク設置に助成金を交付する自治体は以下の2市です。
・松山市 戸建住宅に設置する小規模雨水貯留施設には容量に応じて3万円~15万円の助成金制度があります。
・伊予市 雨水貯留施設に対して最大3万円の補助があります。

ビルトイン食器洗い機の導入も水の節約に効果的
システムキッチンに組み込むタイプの食器洗い乾燥機は多くの食器を効率よく洗えて、水や電気の節約になります。
ただし少人数の家庭では一回の食事で使う食器の量が少なく自分で洗ったほうが早いと感じてしまう場合もあるのですが、下洗いをした食器をまとめ洗いするなどの工夫をすれば使いこなせます。
水資源をできるだけ大切にしたい愛媛県では活用するべき家電のひとつといえるでしょう。

県産木材の使用に補助金制度
愛媛県の注文住宅では無垢材をはじめとする自然素材を多用した温かみのある家が人気です。
注文住宅をつくる際に愛媛県産の木材を使用すれば、地域の林業促進や環境保護に寄与します。
愛媛県では県内産木材を30%以上使った木造住宅の利子を優遇する制度を実施。
さらに、地域材を概ね80%以上使った住宅であれば愛媛県林材業振興会議より柱材プレゼントの制度があります。

温暖な愛媛県では、暖房設備は不要となる場合も

最新の注文住宅では高気密・高断熱性能に優れていて、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるため、1年のうちで冷暖房を使う期間が従来より短縮されます。
加えて愛媛県は冬期も温暖で過ごしやすいので、冬の暖房設備については必ずしも一般的な仕様を整える必要がないかもしれません。

例えば、人気の暖房設備「床暖房」がその一例です。床暖房の費用は電気式で40万円~、ガス式で60万円~ほどですが、さらにランニングコストが電気式・ガス式それぞれ6000円~、4000円~位は最低でもかかります。

断熱性能が高く日当たりもよい住宅では、通年で使用できるエアコンだけでも快適に過ごせる場合もあります。

他にもある、住んでみてから「不要だった」と感じる設備やデザイン

最後に、愛媛県には限らず、注文住宅を建てた人が生活してみた結果あまり使用する機会がなく「不要だった」と感じている設備やデザインオプションの例をご紹介します。

使い勝手で評価が分かれる「浴室乾燥機」

浴室内に洗濯物を干して乾燥させる浴室乾燥機も新築物件では標準装備されることが多い設備ですが、使いこなす人とあまり使わない人がいるようです。
毎日コマメに洗濯をする人が、晴天には外干し、雨の日には浴室乾燥機を活用するような使い方や、花粉や黄砂対策のために部屋干しをするような場合には便利な設備となるでしょう。

一方、洗濯物は庭やバルコニーに干すことを習慣化している人は浴室に干す機会がないかもしれません。
また、家族の人数が多かったり小さな子どもがいたりして浴室を浴室として使用する頻度が多い家庭でも浴室を別の用途で利用することはなかなかできないでしょう。

使いづらい「床下収納」「屋根裏収納」は不要かも

「床下収納」は、使いづらいのであまり使わないという人もいます。特に年配になってくると腰をかがめた姿勢で扉を開けて、物を出し入れするのは危険な場合も。
同様の理由でハシゴで上り下りする「屋根裏収納」も、誰にでも使いやすいとはいえません。

逆に、出し入れしやすく使いやすい収納設備としては「ウォークインクローゼット」や扉のない「パントリー」などが住む人に好評のようです。

実績ある専門家に相談して設計したい「吹き抜け」「リビング階段」

2階建ての戸建では「吹き抜け」「リビング階段」を取り入れると空間に広がりが出て、モダンで開放的な雰囲気になります。
しかし、1階と2階が一体化しているので冷暖房費がかかります。場合によっては冬、暖房しても温かい空気が天井近くに逃げてしまい、暖房効率がかなり悪くなったり、夏は2階が非常に熱くなったりします。

しかし断熱性能を高め、空気の対流や日当たりをきちんと計算することで、吹き抜けやリビング階段があっても快適な家は造れます。
このようなデザインを取り入れたい場合は、注文住宅の豊富な実績がある工務店を選ぶことが大切です。

用途に合わせて適切な広さで設置したい「バルコニー」

「植物を育てたい」などの目的があれば別ですが、洗濯物や布団を干す程度であれば2階バルコニーを広くしてもあまり活用できない場合が多いです。
バルコニーを広くすると家の外観デザインが限定され費用もかかるし、住んでからは掃除・メンテナンスのの負担も大きくなります。
特に使い道がない場所にはバルコニーを設置しないという選択肢もあります。

利用シーンをよく考えて設計したい「和室」「子ども部屋」

注文住宅を建てるとき「1部屋くらいは和室が欲しい」と考える人は多いですが、実際にはあまり使わないスペースが生じてしまうこともあります。
本格的な和室を設けるとかなりのコストがかかります。リビングから続くスペースに置き畳を並べるような和モダンスタイルのほうがローコストでかつ使いやすい場合もあります。

また、子ども部屋については個室の数や広さをどうするかについて、生活スタイルを考慮して決めましょう。
最近では子どもの勉強スペースは個室ではなくリビングなどの共有スペースを活用する家庭も増えています。一方で子どもたちそれぞれのプライバシーを守れる寝室などのスペースも確保しつつ、柔軟な設計をしてみてはいかがでしょうか。