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【2019年版】【ZEH、太陽光発電で補助金】愛媛県西条市が実施する住宅の省エネ促進のための補助金制度と、併用できる優遇制度について

「省エネ」「太陽光発電」などの最新性能を備えた住宅を建てる場合、そうでない一般の家と比べて当然割高になりますが、家を建てる個人にとっては住み続ける間の光熱費が抑えられ、非常用エネルギーの備えもできるなどのメリットがあります。一方、地域や国にとっては限られたエネルギーを無駄なく使い、防災にも役立つ家を増やすことに大きな意義があるため、地域や国では補助金や税金優遇の制度を実施しています。

今回は、西条市が実施している太陽光発電システムなどで受け取れる補助金制度や、その他の補助金についてもご紹介していきます。

【2019年度】西条市が実施している、住宅省エネ設備への補助金制度とは

西条市は太陽光発電システムの先進地域で、昭和の時代からいち早く太陽光発電の推進に取り組んでいます。
今までに幼稚園、体育館、公民館などにも太陽光発電を配備しており、2013年に竣工した市役所新館にも細心の太陽光発電システムが設置されました。

同市では2019年度現在、太陽光発電をはじめとする新エネルギー関連の設備を住宅に導入した場合に補助金を交付しています。

西条市ではまち全体の環境整備という観点から、省エネに寄与する太陽光発電システムなどを個人の住宅に設置した際の費用について、補助金を交付しています。
2019年度時点で西条市が実施している制度の概要と手続きの方法について解説します。

まず知っておきたい「補助金制度」は”単年度予算“で”予算枠あり”

■予算は単年度で実施され、来年度も同じように実施されるとは限らない

西条市では2019年度も前年度に引き続き「新エネルギー等関連設備導入補助金」が実施されます。
ここでまずおさえておきたいことは、こうした補助金制度は年度ごとに決定される措置だということです。
つまり、今年家を建てる人は補助金制度の対象となるが、来年家を建てる人も同じような補助金制度を利用できるかどうかはわからないということになります。

逆の観点からいえば、来年度には太陽光発電システムへの補助金が増額されたり、今までは対象外だった省エネ設備に補助金が交付される新制度が導入される可能性もあるといえます。

つまり、行政の補助金制度は、自分が家を建てるタイミングに合わせて最新の情報をチェックする必要があります。
実際には、西条市の「新エネルギー等関連設備導入補助金」は2006年頃から形を変えながら継続されているので、今後も実施される可能性が高いという期待はできますが、「補助金は年度が変われば終了することもある」ということを知っておきましょう。

■補助金の予算枠には上限があり、申請は「早い者勝ち」

もうひとつ大事なことは「補助金は予算枠を消化した時点で終了」という事実です。補助金事業には予め予算枠があり、その枠の範囲に達した時点で年度の補助金は終了となります。つまり先着順、早いもの勝ちなのです。

西条市の2019年度新エネルギー等関連設備導入補助金の予算消化状況については、こちらのページで確認できます。
前年度の受付締切に間に合わなかった場合には工事完了日から1年以内に申請が可能なので、今年度の予算についてはすでに前年度に工事を完了した案件の申請が集中しています。

今年度の予算枠に間に合わなかった場合は来年度に申請できる可能性がありますが、ご紹介したように補助金制度は来年度継続される保証がありません。つまり、補助金制度への申請はできるだけ早めにすることが重要です。

2019年度西条市「新エネルギー等関連設備導入補助金」の概要

2019年度の西条市「新エネルギー等関連設備導入補助金」の概要は以下のとおりです。

■対象となる設備

導入の対象は、「太陽光発電システム」「家庭用燃料電池システム(エネファーム)」「蓄電池(定置用リチウムイオン蓄電池、電気自動車等充給電設備)」の3分野です。

1 「太陽光発電システム」・・・補助金額 1kwあたり2万円、上限8万円
住宅用太陽光発電システムでは、日々太陽のエネルギーを受けて発電し、その電力を家庭で利用することができます。
使いきれない余剰電力は電力会社に販売することができ、天候が悪く発電量が不足するときは電力会社から電力の供給を受けます。地域全体にとって省エネ効果があるだけでなく、太陽光発電システムを設置した住宅では日々の電気料金を節約することができ、個人にとってもメリットがあります。
災害時にも電力を供給できるという利点もあり、設置が推奨されています。

・太陽電池モジュール、架台、接続箱、直流側開閉器 交流側開閉器、インバータ、保護装置、発電電力量計 余剰電力販売用電力量計、配線および配線器具 工事費(据付・配線工事等)の経費が補助対象となります。

2 「家庭用燃料電池システム(エネファーム)」・・・補助金額 導入金額の10分の1(上限20万円)
家庭用燃料電池システム(エネファーム)は、家庭でガスを使うときの熱を利用して自宅で発電するシステムです。
発電のときに出る熱も無駄なく給湯に活用し、エネルギーロスを極限まで抑えます。
災害で停電した場合にも電気とお湯が一定量使用でき、非常用電源としても効果を発揮します。

・設備本体および付属品(独自モニター等) 工事費(据付・配線・配管工事等)の経費が補助対象となります。

3 蓄電池(定置用リチウムイオン蓄電池、電気自動車等充給電設備)・・・補助金額 導入金額の10分の1(上限10万円)
省エネシステムを設置するにあたり欠かせない「蓄電」の役割をもつ蓄電池は年々需要が増えている製品です。
蓄電池とは名前のとおり電力を蓄積できるシステムのことで、定置用リチウムは家庭の省エネシステムに組み込まれて活用されます。
停電時に蓄電池の電気を利用でき、深夜に蓄電して昼間に使用することで電気代を抑制できることもあります(※地域の電力会社や契約によります)。
電気自動車等充給電設備とは名前のとおり電気自動車・ハイブリッド自動車のための設備です。

・定置用リチウムイオン蓄電池:設備本体(蓄電池部、電力変換装置) 付属品(キュービクル、独自計測表示装置) 工事費(据付・配管工事等)が補助対象
・電気自動車等充給電設備:設備本体、付属品(充電コネクター、ケーブル等) 工事費(据付・配管工事等)が補助対象

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、各種の省エネ設備を組み合わせた住宅のこと

注文住宅・新築分譲住宅で注目されている最新の設備「ZEH」とは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、「ゼッチ」と呼びます。
「ネット・ゼロ・エネルギー」とは「差し引きがプラスマイナスゼロ」という意味で、自分でつくり出すエネルギーから消費するエネルギーを引くとゼロになることを表しています。

「ZEH」は家全体で「断熱構造」「省エネシステム」「太陽光などでエネルギーを創る“創エネ”システム」の3要素を組み合わせ、現代の技術で可能な最新の性能を備えています。

最新性能であるため、注文住宅にZEHを装備するには当然それなりの費用がかかりますが、住む人にとっては「住み始めてからの光熱費が抑えられる」「災害時に蓄積したエネルギーを使える」というメリットがあります。
また、CO2排出を抑制できる効果、地域防災の効果もあるため、国や地域では新築住宅をZEHで供給することを促進しています。

ZEHとして認められる住宅は各種の設備を備えていますが、これらには西条市の補助金対象となる「新エネルギー等関連設備」に該当する太陽光発電システム、エネファーム、蓄電池が含まれます。
ZEHには西条市の補助金対象となる設備の全部または含まれています。

そして、ZEHには国から「ZEH補助金」が交付されます。
つまりZEHの住宅を取得する場合には、国からの補助金と西条市の補助金と、ダブルで受け取れる可能性があります。(2019年度7月時点の情報です。)

【Q&A】西条市の補助金はどのように申請し、いつ受け取れるのか?

西条市の2019年度「新エネルギー等関連設備導入促進補助金」はどのように申請し、いつ受け取れるのでしょうか。また、申請したが補助金交付がされないことはあるのでしょうか。そんな各種の疑問を解消していきます。

■国のZEH補助金とダブルで受け取ることは可能か?
可能です。国の補助金はZEHという住宅性能全体を対象としており、西条市の補助金は個々の設備を対象としているので基準が異なりますが、取得する住宅について条件が該当すれば、どちらの補助金も受け取ることができます。

■書類の準備と申請は誰が行うのか?
西条市の新エネルギー関連設備補助金の申請は施工業者または施主が行いますが、専門的な書類を整える必要があるため、施工業者が代行する場合がほとんどです。国の補助金も施工業者が行うので、注文住宅のプランを相談するときに施工業者によく確認することが大切です。また、施工業者に任せておけば必ず補助金が受け取れるとは限らないので、念のため制度の概要や申請時期については自分でも調べておくと安心です。

■申請はいつ行うのか?
西条市の新エネルギー関連設備補助金の申請は、当該設備工事が完了したあとで行います。太陽光発電システムの場合は、工事完了に加えて電力会社との電力需給契約を終えたあとで行います。
※国のZEH補助金など他の補助金では工事前に申請が必要となることもあるので注意してください。

■補助金はいつ受け取れるのか?
西条市担当部署によると、申請書類に不備がなく審査が通った場合は最短1か月で交付されるとのことです。

■補助金は必ず受け取れるのか?
書類に不備があったり申請時期などで条件を満たさない場合は審査で不可となり交付がされません。また、申請に不備がなかった場合でも、申請年度の予算枠が終了してしまうと補助金は交付されません。今年度の場合は昨年度の申請に間に合わなかった案件の申請を受け付けていますが、今年度の申請に間に合わなかった場合に来年度申請できるかどうかは、来年度の補助金事業の有無、およびその実施内容次第ということになります。

■支払う金額の何割くらいが補助されるのか?
住宅の規模や設備の性能によって価格は変わりますが、住宅用太陽光発電システムの価格は約150万円より、家庭用燃料電池システム(エネファーム)の価格は約200万円より、蓄電池は約60万円よりというのが目安です。
西条市の新エネルギー関連設備補助金は最大で38万円ですから、補助額は支払価格の5~10%程度と考えられます。

また、これらすべてを備えたZEH住宅は一般の住宅価格に約500万円程度の追加費用がかかるとされています。
ZEH住宅で条件を満たせば国の補助金約70万円(※)が受け取れますから、西条市の補助金と合わせて考えれば、最大でZEHの設備にかかる費用の2割・100万円ほどの補助金額を受け取れる可能性があります。

(※ZEH補助金制度では条件を満たせばさらに補助金額が大きくなる場合もあります。)

新エネルギー関連設備で国から補助金が受け取れる、「ZEH補助金」をはじめとする制度について

西条市の新エネルギー等関連設備導入補助金と併せて受け取れる、住宅の省エネ設備を対象とした補助金があります。
また、この他にも金利優遇など住宅取得に関連した有利な制度は多数あるので、信頼できる施工業者に相談しつつ、自分でも調べてみることが大切です。

ご紹介するすべての補助金は審査があり、審査で補助金の交付が不可となる場合があります。
また、ZEH補助金など多くの事業には予算枠があり、申請年度内であっても予算枠に達した時点で募集が終了となることがあります。

ZEH補助金は施工会社経由。「ZEHビルダー」が建てた家であることが条件

西条市の「新エネルギー等関連設備導入促進補助金」で対象となっている建物設備が含まれる、住宅の省エネ・創エネ関連設備について補助金が交付されるのが国の「ZEH補助金」です。

通常で70万円、さらに高度な設備を備えて「ZEH+」「ZEH+R」などの認定を受ければ補助金額は最大125万円となります。

2019年度、国の経済産業省と環境省はZEH補助金を実施しています。その概要は、一般社団法人環境共創イニシアチブのZEH補助金についてに詳しく紹介されています。

住まいをZEHで建てて補助金も申請したいというときに重要なことは、国から「ZEHビルダー/プランナー」として認定されている施工業者が建てた家が対象ということです。

どんな施工業者がZEHビルダー/プランナーに該当しているかは、一般社団法人環境共創イニシアチブのビルダー検索ページで確認できます。ほぼすべてのハウスメーカーと注文住宅の実績がある工務店の多くがすでに認定されています。
ZEHを建てたい、そして補助金申請も検討したいという人はまず、ZEHビルダーに相談しましょう。

ZEH補助金の申請はZEHビルダーが行います。補助金には審査や予算枠があるので、申請すれば必ず受け取れるというわけではないので、実績があるZEHビルダーを選ぶことも大事なポイントです。

【2019年度】ZEH補助金以外にもある、省エネ住宅で受け取れる可能性がある補助金

実は、新エネルギー関連設備や省エネ住宅の新築で受け取れる可能性がある補助金はほかにもあります。
同時に申請して重複して受給できるもの、同時に申請して結果としてどちらかしか受給できないものなどがあり、また、審査基準が厳しかったり、倍率が高く受け取れる可能性が低い補助金もあります。

補助金申請・受領の経験と実績が豊富な施工業者に十分に相談して優先順位を確認したうえで、効率よく補助金申請の手続きをすることをおすすめします。

住宅の新エネルギー関連・省エネに関連する他の補助金制度として、以下があります。制度の多くは認定された施工業者経由となっているので、施工会社選びの段階で早めに相談・確認しましょう。

地域型住宅グリーン化事業
省エネルギー性能や耐久性に優れた木造住宅を促進するための国土交通省の補助事業で、地域の工務店などが対象です。
したがって、補助金の申請は施工業者が行います。

家を建てる人に対して最大140万円の補助金が交付されます。ZEH補助金とは対象が重なっているため、受け取ることができるのはどちらか一方となります。

家庭用燃料電池システム(エネファーム)導入支援事業補助金
2019年度も家庭用燃料電池システム(エネファーム)を対象とした補助金制度が実施されます。自治体の補助金と併せて受け取ることができます。

家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金
2019年度、災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金が決定し、募集を開始しています。補助額は23.6万円より最大で60万円、予算枠内で先着順となっています。

住宅取得で得られる補助金や優遇制度は他にも多数

今まで住宅の省エネ・創エネ関連の設備に関連する補助金についてご紹介してきましたが、住宅取得で有利になる制度はほかにもあります。以下はその一例です。

■2019年度だけの、消費税増税対策としての住宅関連補助金・優遇制度
2019年秋には消費税が8%から10%へ増税となります。
これに伴い住宅取得で税負担が重くなる一般消費者の負担感を軽減するため、2019年度は減税措置・給付金などが通常より拡充され、「次世代住宅ポイント制度」も実施されます。

長期優良住宅の優遇制度
長期優良住宅とは、バリアフリー、耐震性能、省エネ性能などを総合的に判断して「長期優良住宅認定」に認められた住宅のことです。
住宅ローンの控除額が拡大され、「フラット35」の金利が引き下げられるなどのメリットがあります。着工前に申請を行うなど各種の条件を満たす必要があります。

■低炭素住宅などの補助金
低炭素住宅とは、CO2排出が少ないと認められた木造住宅です。補助金として建物の経費の1割以内を条件に最大100万円が交付されます。
さらに「高度省エネ型(ゼロ・エネルギー住宅)の要件を満たした木造住宅では最大165万円が交付されます。

このほか、国・愛媛県・市町が実施している住宅関連の補助金や優遇制度各種については補助金まとめの記事を参照していただくほか、それぞれの公式サイトで必ず最新の情報を確認してください。